第13章 pray
「ん、なにかって訳じゃないんだけど…ほらイブの日にふたりで飲んだでしょ?その時にさ、智くんに好きな人がいるって聞いたんだ」
「ほぉほぉ、それで?」
ニノが興味深げに俺の話を促す。
「ニノと同志だったって言うから、相手のこと知ってるのかなって思ってさ」
「あ~、まあ、知ってますよ?」
「ほんと?どんな人なの?智くんイブの日に誘ったみたいなんだけど駄目だったみたいでさ」
「そうですか?駄目ではないでしょ」
「まぁ、まだフラれた訳じゃないとは言ってたけど、なんかそれから気になっちゃって」
「素敵な方ですよ?大野さんには勿体ないですかね?」
「勿体ない?智くんだって素敵な人じゃん、それでも勿体ないの?ニノから見て可能性ありそう?」
ニノは顎に手を添えると『ん~』と唸りだした。
「なくはない…かな、でも100パーとは言えないって感じですね」
「そうなんだ…大丈夫かな、智くん」
「なにか気になることでも?」
「うん…相手のこと凄く好きそうだから、もしフラれちゃったら智くん落ち込むだろうなって」
「そりゃ、落ち込むでしょうね…18年想い続けた相手なんですから」
「そんなに長いの?ニノと一緒くらいなんだ」
「そうですね、しかも俺と相葉さんの場合は付き合いだして5年経ってますから…片想い期間は13年ってとこですか…それに比べ大野さんは片想いだけで18年でしょ?実際よく我慢してますよ、尊敬します」
「なんで智くん今まで告白しなかったのか知ってる?智くんがそういうの得意じゃないのはわかるんだけど」