第13章 pray
「謝ることじゃないけどさ、ちょっと他人行儀な気がして寂しいなって思っただけ…酒とツマミ用意してくるからそこ座って待ってて」
智くんがソファーを指差した。
「俺もなにか手伝うよ、運んだりするのひとりじゃ大変でしょ」
「そう?じゃあお願いします」
「はい、お願いされました」
ふふっ、と笑う智くんと一緒に飲み物とツマミの準備をしソファーに座ると
「あ、そうだ洗濯するからさ、翔くんも洗うの出しちゃってよ」
「え?いいよそんなの、家に帰ってからするし」
「ついでなんだから出して?帰ってからなんて面倒くさいじゃん」
「そりゃそうだけど、さすがにそこまで甘えられないでしょ」
「なんで?甘えてよ…翔くんてさ何でもひとりで解決しちゃうから…もうちょっと頼ってほしいなぁ…俺じゃ頼りにならないのはわかってるけどさ」
智くんの顔が少し寂しそうに見えるのは気のせいじゃない?
さっきもそうだ、寂しいって…そんな思いさせたい訳じゃないけど、人にあまり頼ったり甘えたりするのが得意じゃない俺は自然に智くんにそう感じさせる態度を取っちゃってるんだろうな。
「智くん、俺智くんのこと頼りにならないとか思ってないよ?いざって時はさ、メンバーの誰よりも智くんのこと信頼してるし…だからそんな風に思わせちゃってたんだったらごめんね…」
「あのね翔くん…俺だって翔くんに頼りにされてないなんて思ってないよ?」
「は?だって今…」
「仕事上は頼りにされてるのわかってる…でも俺が言いたいのはプライベートの話…今日のことだって他のメンバーには話して俺には話してくれなかっただろ?」
「いや、それはたまたま友だちからのLINEを見たときに騒いじゃったから松潤に『どうしたの?』って聞かれて、事情話したら飲みに誘ってくれたんだよ」
「え?そうなの?なんだ、良かった…」