第13章 pray
「失礼な!別になにもしませんよ」
「でも今のニノの目、超怖かったぞ~」
松潤がからかうように言うとニノが少し頬を染めプイっと横を向いた。
「ふん!相葉さんが翔さんを誘ったんですから俺が怒る事じゃないでしょ?」
明らかに怒ってるけどね…失敗したな、余計なこと言わなきゃよかった。
「あぁ~あ、相葉くんやっぱり不味いよねぇ…誕生日のお祝いするのに恋人以外の人誘っちゃうなんてさぁ」
「え?嘘?ニノちゃん怒っちゃったの?」
慌ててニノの方に向き直る相葉くん。
「別に!俺、もう帰りますねっ!お疲れさまっ!」
「あ~待ってよニノ!俺も帰るから!翔ちゃん、松潤お疲れっ」
荷物を持つと振り返らずに楽屋を出ていくニノ…そしてそのニノを追いかけて出ていく相葉くん。
「お疲れ、頑張れよ~相葉くん」
そんなふたりの様子を可笑しそうに見ていた松潤が相葉くんの背中に声を掛けた。
「相葉くんに悪いことしちゃったなぁ」
俺の不用意な言葉がふたりのけんかの原因になろうとは…
「ははっ、大丈夫だよ…ふたりっきりになればニノの機嫌なんてあっという間に直るんだから」
「え?そうなの?ニノ結構怒ってたよね?」
「あれ?知らないの?相葉くんとふたりだけの時ってニノかなり甘えモードみたいだよ?」
「マジか⁉そんな風に見えないんだけど…」
「相葉くんニノのこと超可愛いって言ってたよ」
「へ~、見てみてぇ…あのクールなニノが甘えてるところ」
「やっぱり恋人は特別なんでしょ、相葉くん優しいし、ああ見えて男らしいところあるから」
「あ~、それはわかるわぁ…包容力っていうの?」
「そうそう、天の邪鬼なニノの全てを包んじゃう、みたいなさ」