第2章 Kiss からはじめよう
「はぁ、翔くん可愛い…」
智くんの腕に抱き留められたまま、未だ呼吸が整わず何も言葉を発することができない。
「はぁ、はぁ…」
そんな俺を見て可笑しそうに智くんが聞いてくる。
「どうするまだ半分もしてないけど、続ける?」
俺は目を見開き、首を横に振るしかできない。
「ふふっ、まだまだ時間はあるからね?
ちょっと休憩しようか?」
なんて暢気に笑う。
なに?なんでこの人こんなキス上手いの?
って言うかキスだけでこんなに気持ちいいなんて…
「さ…とし、くん、キス巧すぎ…」
どうにか話せるようになった俺が呟くように言うと、智くんは嬉しそうに俺の顎に手を添え上を向かせる。
「俺、キス上手い?」
「…う、ん…気持ち、いい
ふわふわ、す、る…」
「ではリクエストにお答えしようかな?」
顔を近づけてくる智くんの頬を両手で押さえた。
「なんで?」
「もう、無理だよ…」
「翔くんがいっぱいしてって言ったんじゃん」
「…いきなりこんな激しいキスすると思ってなかったから…」
たぶん、今俺の顔真っ赤だと思う。
「もぉ~っ!そんな可愛い顔されたら我慢できないよ!」
ソファーに押し倒され、また唇を塞がれた。
…後何回残ってるんだろ?
泊まる度にしてたって言うけど、何回智くんの家に泊まったっけ?
智くんが顔を上げにやりと笑うと
「翔くんの許可いらないんでしょ?
明日家出るまでには終わすからね?」
「…分割にしてくれない?」
「脚下‼」
「んーーっ!」
智くんからのキスの嵐は俺が眠りに落ちるまで続けられた。
fin