第11章 One Step
<大野サイド>
そんなこんなで今日は山の日当日。
前もって岡田から連絡があって、行く山は高尾山になった。あそこだったらロケでも行ってるし確かにそんな大変ではないかな。高尾山までは翔くんが車を出すことになった。
翔くんを待っていると携帯がなった。画面を見ると電話は岡田からだった。何かあったのかな?
「もしも~し」
『もしもし?大野?』
「おぅ、どうした?」
『俺、今日行かないから』
「は?何言ってんの?」
『俺は行かないって言ってんの…だからふたりで山行ってきて?』
「なんで?お前が言い出したんだろ?」
『そうだよ』
「じゃなんで?」
『あのさぁ、いい加減気持ち伝えないと無理矢理奪っちゃうよ?いいの?』
「な、なんのことだよ!」
『だからわかりやすいんだよ、お前は…気がつかないと思ってんの?そんなわかりやすいのに』
「……」
『黙んなよ、だからバレバレなんだって』
「だからって何でお前がそんなことするんだよ…」
『だってお前見てると焦れったいんだもん…俺が櫻井くんにちょっかい出す度にイヤな顔するくせにさぁ、本人に伝えないじゃん』
「別にいいだろ…」
『良くないよ…とっととコクって決着つけてよ…じゃないと俺が先進めないから』
「どういう事だよ?」
『そのまんまだよ…後は自分で考えろ。とにかく今日はふたりで自然に触れて素直になれよ…あ、ケーブルカーは使うなよ?歩いて登ることに意味があるんだから。それじゃあな、櫻井くんによろしく』
そう言うと岡田は電話を切ってしまった。