第10章 always
出来る限りのことをして翔くんとベッドに入った。
これでいくらか回復してくれるといいんだけど…
「今さらだけどゆっくり休んでね」
「ふふっ、ほんと今さらだね」
腕の中にいる翔くんが可笑しそうに笑った。
「おやすみ…」
チュッとひとつキスを落として眠りについた。
翌朝、目が覚めると翔くんはまだ気持ちよさそうに寝ていた。
寝かせておいてあげたいけどそろそろ準備しないとマネージャーが迎えに来ちゃう。
「翔くん…」
髪を撫でて声を掛ける。
「んんっ…」
眉間に皺を寄せ、ゆっくりと瞼を開いた。
「おはよ、翔くん」
「…おはよ…」
「声、大丈夫そうだね…まだ少し枯れてるけど」
「ん、ありがと…智くんのお陰だよ」
ニコッと笑う翔くん。
「体は?痛い?」
翔くんはゆっくり起きあがると首を横に振った。
「大丈夫そう…」
「無理してない?」
「…してないよ」
「ほんとに?」
「…ほんとに」
「…ふ~ん」
俺はそ~っと翔くんのシャツの裾から手を入れて脇腹を撫でた。ビクッと反応する翔くん…
「痛っ!」
急に力を入れたせいで体に痛みが走ったようだ。
「やっばり無理してる」
「…大丈夫だよ」
「なんでそんな嘘つくの?俺に嘘つく必要ないでしょ?原因知ってるんだから」
「…だって、もうしてくれなくなるんじゃないかと思って…」
なんだ、その可愛い理由。頬を赤く染めてるけど言ってることけっこう大胆だぞ。
翔くんをぎゅっと抱きしめると
「そんなことある訳ないでしょ…今だってまだ抱きたりないくらいだよ?そんな心配必要ないから…
今度からは手加減するし」
「…それが嫌なんだってば…」
ボソッと呟く翔くん…もう、どんだけ俺を煽るんだよ。
堪らず翔くんを押し倒しキスをした。
「んん、はぁっ…智くんっ駄目でしょっ」
俺を睨む翔くん。
「あんなこと言う翔くんが悪い…俺のスイッチまた押したんだから」
そう言って微笑むと翔くんも微笑んで俺の首に腕を回した…
fin