第10章 always
「ああぁっっ!」
「んんっ、くっ…」
翔くんをぎゅっと抱きしめたまま最後ふたり同時に登り詰めた。
翔くんに覆い被さったまま肩で息をして呼吸を整える。
「はぁ、はぁ…」
「んんっ、あっ、はぁ、ん…」
余韻の残る翔くんの体を撫でるとビクッと震えた。
「…あ"っん"、や"、め"…」
慌てて体を起こし翔くんを見た。
「っ⁉翔くん、声っ」
「え"っ?あ"っ」
喉に手を当て声を出すけどいつもよりハスキーな声…
ふたり顔を見合わせ我に返った…
「ヤバイ、明日ライブ…って言うかもう今日か…」
「どうしよ…」
「翔くん、ハチミツある?」
「うん…」
「大根は?」
「そんなのないよ…」
「だよな…」
料理をしない翔くん家に大根なんて置いてないよな…
「じゃあ、紅茶は?」
「ティーパックのなら…」
「ん、十分…翔くんハチミツと紅茶出して」
「何するの?」
「ハチミツと紅茶は喉にいいから、マシュマロなんかもいいんだよ、ほんとは大根のハチミツ漬け作りたかったんだけど…」
「そうなんだ、ちょっと待ってて…」
翔くんがベッドの上に起き上がると
「っ!いったぁ~」
「翔くんっ?」
「…体も痛い…」
「ごめん、やり過ぎた…」
「ん、大丈夫…嬉しかったから、体はなんとかなるよ…薬もあるし」
はにかむ翔くんが可愛くて抱きしめたいんだけどそんなことしてる余裕はなくて、急いで着替えると翔くんをシーツでくるんで抱き上げた。
「智くんっ⁉」
「歩くの辛いでしょ?キッチンまで連れてくから」
「大丈夫、歩けるよっ」
「いいから掴まってて」
翔くんの腕が首に巻きついた。
「…お願いします」
頬を染める翔くん…さっきまであんなに乱れていたのに…同じ人には思えない。
キッチンにつくとハチミツと紅茶を出してくれた。
「はい、これ」
「ありがと、じゃあ後はお風呂か…出てきたらマッサージするからね」
「え、いいよ…そんなことまでしなくて…」
「駄目だよ、みんなに怒られるよ?ベストな状態にしないと…それに原因俺だし…」
「智くんだけのせいじゃないから」
「まぁねぇ、俺のスイッチ押したの翔くんだし」
にやっと笑うと翔くんは顔を背けて
「知らない…」
って呟いた。