第10章 always
なんだろ、この温もり…
「ん……えっ?」
目が覚めて驚いた…目の前に翔くんの寝顔が…
慌てて体を起こして周りを見ると翔くんのベッドに一緒に寝ていた。
「なんでっ?」
夕べあのまま寝ちゃったのか…でもなんでベッド?
俺の声で起こしてしまったのか翔くんがモゾモゾと動き出した。
「んんっ…」
ゆっくりと瞼が開き俺と目が合うとニコッと笑い
「おはよう」
と挨拶する翔くん。
「…おはよ、えと、俺なんでここにいるの?」
「夜中目が覚めたら智くんベッドの下で寝てるんだもん…風邪引かれたら嫌だからベッドに寝かせたの」
「あ、そうなんだ…ありがと」
「ううん…まだ時間早いよね?」
時計を見ると集合時間まで2時間ある。
「うん、もうちょっと時間あるよ」
「じゃあもう少しこのままいていい?」
「うん、出来るだけ体休めといて…」
「もう体は大丈夫だよ…でももうちょっとエネルギーチャージしていい?」
「え、いいけど…」
そう言うと翔くんは俺の腿に頭を乗せ腰に腕を回し目を閉じた。
翔くんの頭を撫でてあげると翔くんは目を開き上目使いで俺を見た。
「…これってほんとは駄目だよね…」
「どうして?」
「智くんに甘えてる…」
「ふふっ、いいよこれくらい…俺も甘えて貰えるの嬉しいし、恋人なら普通でしょ?
翔くんにやっと触れられるんだから…待たされた分サービスしてよ…」
「…うん、ごめんね待たせて…」
そう言うと翔くんは体を起こしそっと触れるだけのキスをしてくれた…
顔を紅く染める翔くんが愛しくてぎゅっと抱きしめた。
「待ったかいあったなぁ」
って、囁くと翔くんは俺の首にしがみついた。翔くんの震える声が耳元で聞こえる。
「ありがと、待っててくれて…」
翔くんの体を離して顔を覗き込むと潤んだ瞳…その瞳に吸い込まれるように顔を近づけると翔くんの瞳が閉じられた…
深く交わる唇…何度も何度も繰り返されるキスに心が震える…
「ふっ、ん…」
翔くんの苦しそうな喘ぎ声が聞こえキスから解放してぎゅっと抱きしめた…
「続きは翔くんが元気になったらね」
「もう大丈夫なのに…」
艶を含んだ表情で言われると自制心も揺らぐが翔くんに無理はさせられない。
「駄目だよ、ライブ出来なくなったら困るでしょ?」
これから先時間はたっぷりあるからね」
「…うん」