第10章 always
松潤が話した事はだいたい予想通りだった。
「なんでも持ってるリーダーに翔くんまで取られるのが悔しくて…
ただの嫉妬だよね」
松潤がそう言うけど俺何か持ってたっけ?
「俺、何も持ってないぞ?」
そう言ったらニノの『はぁー』という大きなため息が聞こえた。
「だからぁ、それが余計に潤くんの嫉妬を煽るんですよ」
「え?なんで?」
何が何やら分からない…
「前に言ったでしょ?
大野さんには簡単に追い付けないって…
あなたは自分の才能に対して無自覚なんです
『産まれ持った才能』っていう物は、努力しても手に入れることは出来ない
だからせめて努力すれば手に入れる事が出来る翔さんの為に頑張っていたのに
あなたはそれさえも簡単に手に入れようとした…
まぁ実際は簡単では無かったみたいですが…」
なんとなく分かったけど…
「ごめんな、松潤…
俺が悪かったのか…気がつかなかった
でも俺はお前が翔くんの事好きだって気付いたとき超焦ったぞ?
翔くんがお前の事好きになったらどうしようって…
俺もお前と変わらないよ
ほんとに欲しいモノには必死になるんだ」
そう言うと松潤は驚いたように俺の事を見た。
「リーダーの中で俺はライバルだった?」
「おう!すっげぇ怖い存在だよ」
「そっか、俺認めて貰えてたんだ…」
松潤は嬉しそうに少し微笑んだ。