• テキストサイズ

片恋 《気象系BL》

第10章 always


「そうですよ、翔さん。
潤くんのことは任せてください、とまでは言えませんけど
大丈夫ですから…
翔さんは大野さんのところへ行ってあげてください
いつまでも待たせてると大野さんおじいちゃんになっちゃいますよ?」

ニノが真面目な顔して言うと

「おじいちゃんて…ふふっ」

翔くんが、やっと笑顔を見せてくれた。

翔くんの手を握ってる手に力を込める。

「翔くん、逞しく育った弟たちに頼らせて貰おうよ。
じゃないと俺、おじいちゃんになっちゃう」

眉毛を寄せてわざと情けない顔をしてそう言うと
翔くんは更に声を出して笑った。

「ははっ、智くんまでなに言ってんの。
うん、でもそうだね…
ニノ、松潤のことお願いしていい?」

「はい。今まで必死に守ってきた嵐を壊すようなことはしませんから」

ニノが微笑むと翔くんは微笑み返した。

「ありがと…」

「櫻井さん。そろそろホテル戻って休みましょう。
明日もライブはあるんですから」

翔くんのマネージャーが、翔くんの着替えを持って控え室に戻って来た。

「うん、分かった…
皆ごめん、先にあがらせて貰うね」

「ゆっくり休んでね、翔ちゃん」

「明日も頑張りましょうね」

翔くんは笑顔で頷いた。

「大野さんも先に帰って、翔さんについててあげてください」

「うん、そうさせて貰うわ」

「大ちゃん。翔ちゃんのことよろしくね?」

「じゃあ翔さん、また明日」

ニノと相葉ちゃんが控え室を出ていった。

「翔くん、着替え出来る?」

「大丈夫だよ」

にこっと笑って着替えを始めたが
やはり痣が目に入って心が痛んだ…

自分の着替えを終え、翔くんの荷物を持つ。

「それじゃ帰ろっか」

「うん」

ゆっくりと立ち上がる翔くん。
顔が苦痛に歪んだ…

「大丈夫?歩ける?」

「…うん、大丈夫…」

あまり大丈夫じゃなさそう…
翔くんの前で後ろを向き膝まずく。

「背中、乗って?」

「え?」

「おんぶしてくから乗って」

「あ、大丈夫だよ…」

「いいから早く」

強めに言うと翔くんはゆっくりと背中に乗ってきた。

「…ありがと」
/ 592ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp