第10章 always
「同情してるつもりなんかなかった…」
視線を伏せる翔くん…
「でしょうね…でも結果的には同情だと思いますよ?
他に好きな人がいて
しかも両想いなのに別の人と付き合うなんて
同情以外の何なんですか?」
ニノにそう言われて、ハッとした表情をする。
「翔ちゃん…翔ちゃんが松潤にしてることって松潤のこと馬鹿にしてるんじゃないのかな?
いつまで経っても、子供扱いしててさ…」
「ほんとに潤くんに支えが必要なら、皆で支えればいいんじゃないですか?
ライブを盾して翔さんに付き合って欲しいなんて、卑怯なやり方ですよ?
それを翔さんが認めちゃ駄目です」
相葉ちゃんとニノが翔くんに諭してる。
いつの間にか、こいつらも頼もしくなったな…
「翔くん。相葉ちゃんとニノの言う通りだ…
俺も翔くんが望むなら、松潤と付き合うことを認めようと思ったけど
ふたりの言うこと聞いて間違ってるって気付いた。
松潤を支えるのは、翔くんじゃなくていい」
「智くん…」
翔くんの手をそっと握った。
「松潤を成長させる為には、翔くんじゃ駄目なんだよ…
もっと厳しい目で
そして誰よりも、松潤の事を一番に見ててくれる人じゃないと」
「そうそう、適任者がいるでしょうよ」
相葉ちゃんが楽しそうに笑った。
「適任者?」
翔くんが首を傾げる。
「ねぇ、大ちゃん?」
相葉ちゃんが出来ないウインクをしてみせた。
「あぁ、なるほどな」
俺と相葉ちゃんは同時にニノを見た。
「え?なに?」
突然ふたりから見られ、ニノが驚いた。
「ニノが支えてあげればいいんだよ」
「はっ⁈」
「だって、松潤のこと好きなんでしょ?
仕事の事もよく分かってるし、物事を客観的に見る目も持ってる。
間違いないでしょ?」
「勝手に決めないでください、相葉さん!」
少し頬をピンクに染めて、ニノが否定した。
「ふふっ、まぁそこはニノに頑張ってもらうとして
そういうわけだからさ、翔ちゃん。
松潤はひとりじゃないから…
翔ちゃんは翔ちゃんの心のままに生きていいんだよ?」