第10章 always
ニノと相葉ちゃんが控え室に戻ってきた。
「翔さん…やっぱり無理してたんですね…」
「ごめんニノ、相葉くん。結局迷惑かけた…」
「翔ちゃん、迷惑じゃないよ?
翔ちゃんがいなかったら、ライブだって盛り上がらないんだから。
翔ちゃんがいてくれて助かったんだからね?
休んでてなんて言ったけど、やっぱり5人でいなきゃ駄目なんだよ」
「そうですよ、翔さん…
だからもっと頼ってください。
ひとりでなんでも背負おうとしないで…
潤くんのことだって、翔さんが自分の気持ち圧し殺してまで、一緒にいてあげる必要ないんですよ?」
「でも、それじゃ松潤が…」
「翔ちゃん!
翔ちゃんがそうやって甘やかすから、松潤がいつまで経っても成長できないの!」
「相葉ちゃん?」
「だってそうでしょ?
松潤がやったことは、欲しいものが手に入らなくて駄々を捏ねてる子供と一緒だよ?
それを翔ちゃんが、はっきり駄目って言って突き放さないから、いつまで経っても成長出来なくて親離れできないの!」
今日の相葉ちゃんは、珍しいことばかりする。
松潤に続いて、翔くんにまで説教するなんて…
ニノも同じ様に感じたみたいだ。
「相葉さん…なんだか今日は珍しく真っ当なこと言いますね」
「珍しくは余計だよ。
簡単なことなんだよ、5人でこれからも進んで行くならみんな横並びで進んで行かなきゃ…
いつまでも、大ちゃんと翔ちゃんに守られたままじゃ上へ上がれないよ?」
「確かに簡単なことですね?
簡単すぎて、相葉さんにしか分からなかったのかも…」
「なんだとぉ」
「ふふっ、冗談ですよ。
翔さん、相葉さんの言う通りです。
潤くんの事は、突き放してあげてください…
その方が潤くんの為です。
同情は人を成長させない」