第2章 Kiss からはじめよう
「俺最初から気持ち悪くなかったよ」
体を起こしてソファーに座った。
「キスしてきたの男の人だって分かったけど全然大丈夫だった…」
隣のスペースに智くんが座る。
「瞬間的に智くんだってわかったのかも…」
「俺だから大丈夫なの?」
「ん~、そうかな?」
「…なんで?」
「なんでだろうね?
あの時まで考えたことなかったよ
だから答えを見つけたくて智くんといたのかも…」
「…答え見つかった?」
智くんが見つめてくる。
その瞳から目を逸らせない。
「………見つかった…と思う。」
「答え…聞かせてくれる?」
智くんが更に追い詰めてくる。
ふ~っと息を吐き笑顔を智くんに向ける。
「…やだ」
「へっ?」
「だって俺智くんから肝心な言葉聞いてない
許可なく2回もキスしたのに俺に先に言わせるの?」
智くんが一瞬目を見開き、そのまま瞼を閉じると深呼吸をした。
ゆっくりと目を開けると俺に体ごと向き合うように座り直す。
しっかりと瞳を見つめられ、その瞳を見つめ返す。
「…翔くん、好きだ」
普段余り見ない智くんの真剣な顔。
緊張してるんだね?
でも俺がする返事はわかってるでしょ?
「俺も…智くんが好きだよ」
笑顔で答えるといつものふにゃっとした笑顔を見せてくれた。