第10章 always
「ニノ、相葉ちゃん…悪いんだけど、部屋出てて貰っていい?」
「…わかりました。
行きましょ相葉さん」
「うん、」
ふたりが部屋を出て行くのを確認して、翔くんを着替えさせた。
「翔くん…ごめんね」
着替え終えた翔くんをそっと抱きしめる…
「なんで智くんが謝るの?
何も悪いことしてないよ?」
「俺が翔くん守りきれなかった…
松潤にこんなことさせたのは俺だ」
「そんなこと言わないで…悪いのは俺なんだ。
口では松潤のこと支えるなんて言ってたのに、実際智くんに優しくされれば嬉しくて…幸せで…
たぶん、松潤にはそんな俺の気持ちが伝わってたんだよ。
知らず知らずに松潤を不安にさせてたんだ」
バスルームのドアが開く音がした。
「翔くん、とりあえずさっき言ったように部屋で寝てて。
マネージャーに薬用意して貰うから」
「うん…」
「立てる?」
「大丈夫…」
翔くんの体を支えるように歩き出すと、松潤が後ろから俯いてついてきた。
俺は足を止め振り返った。
「松潤、いつまでも湿気た面してんなよ?
気持ち入れてけ!」
「ライブ成功させような…」
翔くんが松潤に向かって微笑む。
「…うん…ごめん…翔くん…」
松潤の小さな声が聞こえた。
翔くんを部屋まで送り届け、後のことをマネージャーに託した。
俺たちはリハをこなし、翔くんが会場入りするのを待った。
松潤も気持ちを入れ直したのか、順調にリハが進んだ。
後は、翔くんの体調が少しでも回復してればいいんだけど…