• テキストサイズ

片恋 《気象系BL》

第10章 always


「ニノ…もういいから…
みんなごめん…リハに遅れちゃう」

翔くんはゆっくりと起き上がったが『うっ』と呻き声をあげた。

慌てて翔くんの元へ駆け寄り体を支える。
布団が滑り落ちて翔くんの白い肌が露になると痛々しいまでの赤い痣…

俺は布団で翔くんの体をくるみ、そっと抱きしめた…

「翔さん…その体では無理です。
今日は休んでください…」

「そうだよ翔ちゃん。ファンの人には申し訳ないけど、無理だよ」

ニノも相葉ちゃんも泣き出しそうな顔をしている。

「俺、出るよ?」

「無理だってば!」

相葉ちゃんが強めに否定したけど、翔くんはいたって冷静で…

「心配かけてごめんね?
でも大丈夫だから…最後までちゃんとやれるから…だからやらせて?」

翔くんが相葉ちゃんの顔をじっと見るけど、相葉ちゃんは首を縦に振らない。

「わかった…」

「大ちゃん?」

「本人がやるって言ってるんだ、やらせよ?
そのかわりリハは出なくていいから、本番に間に合うように会場に来て?
それまではホテルで休んでること…
他のスタッフさんたちに気を使わせる訳にいかないからね、それでいい?」

ニノと相葉ちゃんは、渋々といった感じで頷いた。

「松潤、お前も早く用意しろよ?
スタッフさん待たせちゃうだろ」

「…リーダー、マジで翔くん出演させんの?」

「させるよ」

「なんで?
俺が言うのも変だけど、なんでそんな無茶させんの?
翔くんのこと大切なんでしょ?」

「大切だよ?出来ればこのまま休ませたい。
でもファンの人が翔くんを待ってんだよ…
俺たちの事情で、ファンの人を悲しませるわけにいかないだろ」

そう言って松潤をじっと見た。

「お前だって、ライブ作るのに誇りもってんだろ?
だったら最後まで嵐の松本潤をやり通せ。
ファンの人をがっかりさせるようなステージ見せんな!」

松潤は俯いて歩き出すと、洋服を掴みバスルームに入って行った。
/ 592ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp