第10章 always
相葉ちゃんやマネージャーたちも揃ったのに
翔くんと松潤だけが時間を過ぎても来なかった。
それぞれのマネージャーがふたりの部屋に呼びに行った。
やっぱり翔くん具合悪くなった?
気になって翔くんの部屋のドアの前に行くが、マネージャーが首を傾げる。
「何度呼んでも反応ないですね、どうしたんでしょう…
櫻井さんにしては珍しい…」
「合鍵は?」
「フロントに行かないと…ちょっと行ってきます」
そう言ってマネージャーが歩き出すと、松潤の部屋のドアが開いた。
「あぁ、良かった松本さん
もう時間過ぎてますよ?」
松潤のマネージャーがホッしたように話しかける。
松潤を見るとバスローブ姿のままで、寝起きのようだった。
俺と視線が合うとニヤっと笑う。
「翔くん、部屋にいないよ…」
松潤に駆け寄る
「どこにいんだよ…」
「俺の部屋の中…
でも、今日のライブ出られるかな…」
冷えきった松潤の目を見て、嫌な予感がした。
「翔くんに何した」
「リーダーと同じ事しただけだけど?」
「お前っ!」
「大野さん?」
声を荒げた俺に、ニノが声を掛けてきたが、それには答えず俺は松潤を押し退け部屋に入った。
ベッドに横たわる姿…
「翔くん!」
血の気の無い蒼白い顔…
布団から覗く白い肩には至るところに付けられた赤い痣…
あいつどんな無茶したんだ?
頬に手を触れると睫毛が揺れ、うっすらと瞼を開いた…
「翔くん…大丈夫?」
「…さ、とし…く、ん…」
声を出すのもつらそうだ…
「大野さん、どうしたんですか?」
背後からニノの声が聞こえた。
「ニノ、来るな…」
翔くんのこんな姿、見せたくない…
しかも相手が松潤なんて…ニノが傷つく。
「大野さん?」
振り返るとニノと相葉ちゃんが顔を強張らせた。
「っ!翔さん⁈」
「翔ちゃん!」
ニノがベッドに駆け寄ってきた。