• テキストサイズ

片恋 《気象系BL》

第10章 always


〈智サイド〉

翔くんの様子が気になり、集合時間より早く部屋を出た。

フロアーにはまだ誰の姿もなく、暫くするとニノが部屋から出てきた。

「あれ?大野さん、随分早いんですね?」

「ん、あ~…まあね…」

歯切れの悪い返事をする俺をじっと見る。

「何かありましたね?」

図星を指され思わず視線を逸らした。

「今更隠し事は無しですよ?
何があったんですか?」

ニノは俺から視線を外さない…
あぁ、こうなったニノからは逃げられないんだよなぁ。

俺は観念して、昨日のことを話し出した。

「えっ?翔さんが潤くんと?」

「あぁ…」

「大野さん、それでいいんですか?」

「翔くんが嵐の為に決めたんだ…
リーダーの俺が反対する訳いかないだろ…」

「でもそれじゃ、ふたりの気持ちは…」

「いいんだよ…俺も翔くんも納得したんだ」

ニノは俯いてしまった…

「…分かりました…
おふたりが決めたことですもんね
私が口を挟む権利はない…」

「いや、悪いなニノ。お前にも辛い思いさせる…」

「いいえ…私は大丈夫ですよ。最初からわかってた事ですし…
それは分かりましたけど、早く出てきた理由は?」

やっぱこいつは誤魔化せない…

「あ~、えっと…」

「話の他に何か言えないようなことしたんですか?」

ニノの言葉で、夕べの翔くんを思い出し顔が熱くなった。

「ほんと分かりやすいですね、大野さん…
今時、高校生だってそんな反応見せませんよ?
それで翔さんの様子が気になって早く来たと…」

「…寝るときは一緒に居たのに
朝になったら居なくなってて…」

「まぁ、聞くところによると、かなりの負担が掛かると聞きますからね…
翔さん起きられるといいですけど」

「え?そうなのか?」

「えっ?知らないでやっちゃったんですか?」

「う、ん…だって、突然言われたし…」

「誘ったのは翔さんなんですか?」

「最初で最後だって…」

「なるほどね…まぁ、翔さんの気持ちは分かりますけど…」
/ 592ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp