第10章 always
〈潤サイド〉
今日のライブ中、あのふたりがやたらとお互いを意識してた。
今までだって、多少のスキンシップはあった…けど今日のは違う。
特にリーダーがずっと翔くんを見ていて、翔くんも視線が合うと嬉しそうに微笑むんだ。
昨日気持ちを伝えたのに…
翔くんはやっぱりリーダーを選ぶんだ。
俺が…嵐がどうなってもいいんだね?
翔くんの気持ちは良く分かったよ…
ライブ終了後、スタッフたちと翌日の打ち合わせをしたのち、翔くんに電話を掛けた…
ならし続けても出る気配がない…LINEを送っても既読がつかない…
部屋を出て翔くんの部屋を訪ねた。
ドアをノックしても出てくることはなく、俺はそのままドアの前で膝を抱えるように座り込んだ。
いつの間にか寝てしまってたようだ…
どこかのドアが開く音がして目が覚めた。
顔をあげると、リーダーの部屋から出てきた翔くんがいた。
俺の存在に気付いた翔くんは、目を見開き驚いた…
「松潤…」
俺はゆっくりと立ち上がり、翔くんに近づく。
「何してたの?こんな朝早くからリーダーの部屋で…」
俺は嘘の笑顔を張り付けた。
「あ、えっと…」
「あぁ…朝早くからじゃなくて、夕べからだったね…
リーダーと、一晩中何してたの?」
にっこりと笑い掛けると、翔くんの表情が固まった。
何してたか決定だな…
俺は翔くんの腕を掴み自分の部屋に引き摺るように連れていった。
部屋に入っても、更に腕を引き部屋の中を歩いてく…
翔くんの腕を勢い良く引っ張り、ベッドに放り投げた。
「…松潤…」
「なんでそんなに怯えた顔してるの?
俺何か悪いことした?
それとも、翔くんに後ろめたい事があるの?」