第10章 always
「なんで?松潤に何を言われたの?」
「…付き合って欲しいって言われた…支えて欲しいって」
「それだけ?」
「うん…」
「普通に告白されたのに、翔くんは俺じゃなく松潤を選ぶの?」
「うん」
翔くんの顔に迷いはなかった。
「なんで?翔くんは俺のこと、好きじゃなかったの?」
そう言うと、翔くんは悲しそうな瞳で俺を見詰める。
「好きだよ…」
「じゃあ、なんで松潤を選ぶの?」
「松潤の方が、俺を必要としてるから…」
「そんな理由?俺だって翔くんが必要なのに?」
翔くんは首を横に振った。
「智くんと松潤じゃ違う…」
「どこが?」
「あいつは、嵐の中で自分の居場所を確立させたかったんだ…
智くんは歌と踊り、ニノは演技、相葉くんはバラエティ…それぞれが嵐の中で一番を持っている
それってさ、皆個性や才能の延長線上にあるものなんだよ…
あいつが嵐の中で見つけた一番は、ライブ演出だった…勿論、演出だってセンスや才能は必要だよ?
でもさ、何よりも学びと努力が欠かせない…その為に俺の支えが必要だって…
今日、ライブやって改めて分かった…
ライブは嵐にとって何よりも大切な物でしょ?その大切なライブを最高な物にするには、松潤の力がなくちゃダメなんだよ…」
「…翔くんは、嵐の為に松潤を選ぶの?」
「そうだよ…これからも嵐を成長させる為に、松潤を支える」
「俺のことはもう支えてくれないの?」
「ううん…支えるよ?でもそれはメンバーとして」
翔くんの瞳に迷いはなくて…
俺が何を言っても、気持ちが変わることはないんだと思った。
翔くん、一度決めたことは曲げないもんね…ずっと見てきたから分かるよ…