• テキストサイズ

片恋 《気象系BL》

第10章 always


『わかった』と言った言葉通り、ライブ中の翔くんは完璧だった。

リハ中に見せてた悩んでる表情なんて、微塵も見せることなく観客を盛り上げ、自らも楽しんでた。

やっぱりライブはこうでなくちゃ。

それでも少し心配だから、翔くんの近くにいるときはそっと触れたり、遠くにいるときはアイコンタクトを取って微笑んでみせた。

そんな些細なやり取りも、松潤は見逃さなかった…まさか、あいつを追い込むことになろうとは…


ライブが無事終わり、松潤以外のメンバーがホテルに戻った。

部屋に入る前に翔くんが「後で部屋に行っていい?」
って聞いてきたから

「もちろん。待ってるから、いつでもおいで」

って微笑むと、翔くんも微笑み返してくれた。

シャワーを浴びて暫くすると翔くんが部屋に訪ねて来た。

「いらっしゃい…」

「…お邪魔します」

「翔くん、何飲む?」

「智くんと同じものでいいよ?」

「じゃあ、とりあえずビールだな」

冷蔵庫から缶ビールを2本取り出し、1本を翔くんに渡した。

「座って?」

翔くんをソファに座らせ、その隣に座る。

プルタブを開け、缶ビールを翔くんに向ける。

「お疲れ」

「お疲れさま」

グビグビっとビールを煽り、『ハァー』っと息を吐いた。

「楽しかったね、ライブ」

「うん、楽しかった…智くんのお陰だよ」

嬉しそうに微笑む翔くん。

「俺、何もしてないよ」

「ううん…ライブ中、ずっと気に掛けてくれてたでしょ?
俺は、いつも智くんに助けられてるんだよね…」

翔くんはそこで言葉を切って息を吐いた。

顔をあげ俺の目をしっかりと見詰めると…

「智くん…俺、松潤と付き合おうと思う」

力強い言葉で俺に告げた。
/ 592ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp