第10章 always
「大野さんはさぁ、実際問題、あのふたりのことどう思って見てんの?」
「どうって…」
「だっておかしいでしょ?
急にふたりだけの世界っていうの?
ライブ作った時もそうだったけど、ライブ中なんか、これでもかってくらいベタベタしてさぁ…」
「そんなベタベタって言うほどしてないだろ…」
「十分してますぅ…大野さんは平気なんですか?」
「なんで俺?」
「私が気がつかないとでも思ってんですか?
大野さんが翔さんのこと好きなことなんて、と~っくに知ってますよ」
やっぱりニノにはバレてたか…
こいつの鋭さ半端じゃないからなぁ。
「俺のことはいいとして、ニノはなんでそんな気にしてるのあのふたりのこと」
そう言うとニノは少し俯いて…
「…昔は潤くん、翔さんにべったりだったでしょ?
最近はなくなってたけど…
それが、今になって甘えだした。
私はね、潤くんは自分で成長するために、翔さんから離れたと思ってたんです…翔さんに相応しい人間になろうとしてるんだと…
それなのに、今の潤くん見てると翔さんに頼りきってる…
あんなにひとりで頑張ってきたのに…今のままだと、その努力が無駄になる…」
そう話すニノは悲しいそうと言うか、悔しそうと言うか…
こいつも人に言えない想いを抱えてたんだな。
「…ニノ。お前、いつから松潤のこと…」
「さぁ?少なくとも大野さんよりは短いですよ…
潤くんが、翔さんから離れてからですから。
一所懸命努力してる潤くんを見てて、凄いなって思って…それから目が離せなくなりました。
この人が、どこまで行けるのか見ていたいって…
例え、それが翔さんの為だってわかっていても…
潤くんが、頑張って上へ上がってく姿が見られるだけでよかったのに…
今の潤くんは本当の潤くんじゃない…」