第10章 always
「皆お疲れ、遅くなってごめんね」
翔くんが前の仕事を終えて合流した。
「おはようございます、翔さん」
「おはよ、翔ちゃんお疲れさま」
今、松潤はまだスタッフのところにいる。話すなら今しかない。
「翔くん、お疲れさま。
早速で悪いんだけど、話があるんだ。ちょっといいかな?」
そう声を掛けると、思い当たるところがあるんだろう…ちょっと困ったような顔をした。
「…何かな?」
「翔くんも分かってるよね?松潤の様子がおかしいこと」
そう聞くと、翔くんは俺から目線を逸らした。
「…智くん、ごめん。今回は松潤の好きなようにやらせてあげてくれないかな?」
「なんで?何か理由があるなら、俺たちに話してくれればいいじゃん」
「…ごめんね。理由は言えないんだ…でも、嵐の為だから」
「どこが嵐の為なの?
相葉ちゃんもニノも、不信に思ってるよ?このままで良いとは思えないけど」
そう言うと、翔くんは相葉ちゃんとニノを見た。
「ごめんな、ふたりとも嫌な思いさせちゃって…
でも松潤も闘ってるから。今回だけは、あいつの好きにやらせて貰えないかな?
じゃないと、あいつ潰れちゃうかも…」
翔くんの表情が余りにも苦しそうだったから、俺も相葉ちゃんもニノも何も言えなかった。
そこへ松潤が戻って来た。
「あ、おはよ翔くん…ちょっといい?」
「…うん」
松潤の元へ向かう翔くん。
松潤の事も心配だけど、そんな顔して…翔くんは大丈夫?