第10章 always
〈智サイド〉
松潤が、スタッフとの打ち合わせから戻って来たところに声をかけた。
「松潤、ちょっといいか?」
「何?今、変更点があって忙しいんだけど急ぎなの?」
「悪いな、すぐ済むから…」
松潤は俺の方を見ずに、パソコンを覗いてる。
「早くしてくれる?手直ししたらスタッフさんに伝えなくちゃいけないから」
「なんで今回、俺たちに相談しないんだ?」
「それで何か問題でもあるの?
どこか気に入らないところある?」
「いや…今のところ無いよ…」
「じゃあ相談しなくてもいいよね?」
「今までだったら、俺たちに確認取りながらやってただろ?」
「問題ないんだから相談する必要ないじゃん」
「嵐のライブだろ?皆で作るんじゃないのか?」
「翔くんには確認してるよ?」
「なんで翔くんだけなんだよ」
「翔くんが一番的確なアドバイスくれるから…皆忙しいから時間短縮だよ」
「翔くんだって忙しいだろ」
「翔くんが良いって言ってくれたから、だから相談してるの」
何を言っても聞く耳を持たないようだ…
何をそんなに意地になってるんだ?
翔くんなら、なにか知ってるのかもしれない…翔くんに聞くか…
「分かったよ…時間取らせて悪かったな」
翔くんは今日別の仕事が入ってて後から来るって言ってたな。
でも何かあるなら翔くんから既に相談があってもいいと思うんだけど…
なんだろ…この違和感…
ニノが言ってた事が、事実にならなきゃいいんだけど…