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片恋 《気象系BL》

第10章 always


「どうしたんだよ松潤…」

「…怖いんだ」

「何が?」

「ライブを作るのが…」

少し考え込む翔くん。

「…誰かに何か言われたの?」

何も答えず黙り込んだ…

誰も何も言ってない…でもこうやって何も答えずにいれば、翔くんは勝手に誤解するでしょ?

「松潤、大丈夫だよ…誰が何言ったって、俺たちはお前のやってること信用してるから」

そう言って俺の手を握ってくれる。

「…翔くん…」

ほらね…翔くんだったら励ましてくれると思ったよ。

「そんな情けない顔するなよ…」

俺の頬に手を添え、優しく微笑んでくれる。

「翔くん…助けてよ…」

「いいよ?どうして欲しい?
元々嵐のライブなんだ。お前ひとりが背負う必要はないよ」

「皆に認められるライブを作りたい」

「いつも認めてるよ?」

「ううん…メンバーやファンだけじゃなく、見た人皆に凄いって言わせたい…
俺のやってきたことは間違ってないんだって、自信を持って言えるようなライブを作りたいんだ」

「分かった…メンバー皆に相談しよ?」

「それじゃ駄目なんだ…俺が作らなきゃ意味がない。
皆に手伝って貰ったら、俺の力じゃなく嵐だからって言われる」

「松潤…」

「お願い、翔くん…今回のライブだけは俺の力でやらせて?
じゃないと、俺がやってきたこと全部否定されてるみたいで…俺…」

翔くんの目を見詰めて訴えれば、翔くんは聞き入れてくれるよね?
昔はこうすれば、俺の我が儘聞いてくれたもんね…

「…うん、いいよ…でも何かあったら相談しろよ?
ひとりで潰れるのだけは駄目だからな?」

「ありがと、翔くん」

そう言って抱きついた。

「なんか昔に戻ったみたいだな…
小さい頃は、よくこうやって甘えて来たもんな?」

「ごめんね。今、頼れるのは翔くんだけだから…
他のメンバーには、弱いとこ見せたくない」

「ふふっ、いいよ…いくらでも甘えろよ」

優しい翔くん…自分から引っ掛かった…
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