第10章 always
ライブのリハが始まった。
あの日以降、何事も無かったように、松潤はライブの準備に力を入れていた。
ただちょっと気になるのは、やたらと翔くんと一緒にいる姿を見ること。
ライブの事を相談しているんだとは思うんだけど
今までだったら、メンバーのいるところで皆に意見を聞いていた。
それが今回はふたりきりで、他の3人を見向きもしない…
最初の内は気にならなかったけど、さすがにニノも相葉ちゃんも気になってきたらしい…
そして翔くんも、口には出さないけど、たまに心配そうに松潤を見てる。
「大野さん、やっぱり潤くんおかしいよ」
「俺もそう思う…
俺なんて大した意見言わないけど
それだって、今までだったら『相葉くんどう思う?』くらいは聞いてくれたのに
今回は一回も聞いてこないよ?
ソロ曲のことだけだよ、松潤と話したのなんて」
「だよな…
俺にもそうなんだけど…でもライブ構成的には良さそうだし…」
「まぁ、翔さんにあれだけくっついてアドバイス貰ってるんでしょうから
悪い物にはならないでしょうけど…」
「でもさぁ、寂しくない?
ライブって、皆で作るもんじゃないの?」
相葉ちゃんの言ってる事は分かる…
今までも、松潤の好きなようにやってきたけど、全てメンバーに確認しながらだったんだ。
それが今回は確認なしで進んでいく…
「ちょっと、松潤と話してみるわ…」
「そうですね…翔さんの事も気になりますし」
「翔くんのこと?」
「えぇ…。翔さんなら、この状況に気がついてるはず…
だったら、潤くんにその事を伝えてると思うんです
なのに、潤くんの好きにやらせてて…なぜそれを許してるのか分からない」
確かにそうだ…
松潤が熱が入り過ぎたとき、止めるのはいつも翔くんの役目だった…
というか、松潤が翔くんの意見だったらすぐに聞き入れるから、いつの間にかそうなってた。
それが今回の翔くんは、心配しつつも松潤に従ってるように見える。
あのふたりに何があった?