第2章 Kiss からはじめよう
それからの俺は頻繁に智くんの家に行くようになった。
あの時言った通り智くんはレギュラー番組の後は誘ってくれたし、俺も予定がなければ喜んでお邪魔した。
しかも毎回当たり前の様に泊まってて、いつの間にか智くんの家には俺の着替えも置くようになって、そこから仕事に行くなんてことも増えてきた。
レギュラー番組収録後、いつもの様に智くんの家に行こうと2人で楽屋を出ようとするとニノに声を掛けられた。
「今日もお二人ご一緒ですか?」
足を止めて振り向くと松潤が驚いたように立ち上がった。
「今日も⁉なに?遂に?」
「えっ?そうなの?やったね!」
「いえ、まだそこまででは無いようです」
「なんだ~」
相葉くんが残念そうに言う。
なんだろ?なにが残念なんたろ?
前にもあったな、俺だけがわかってない感じの時が。
なんだよ!誰かはっきり言ってくれよ!
「大野さん、翔さん一人だけ分かってなくて不満顔ですよ?」
「うるせっ!」
「私はそろそろ大丈夫だと思うんですけど?」
「簡単に言うなやっ」
「だってどうみたってさ~」
松潤が不服顔をする。
「そうだよ!本人が気がついてないだけだよ
ぜーったい大丈夫だって!」
相葉くんまで。
みんな更に訳のわからないことを言う。
なんだか口を挟む気もなくなった。
「いいよもう!翔くん、行こ!」
智くんに促されて楽屋を出た。