第2章 Kiss からはじめよう
智くんがお風呂の用意をしてくれてる間、俺は食べたものを片付けた。
「あ~、いいのにそんなことしなくて」
洋服を持って智くんが戻ってきた。
「これくらいやらせてよ
作るのはできないけど片付けはできるから」
「ありがと
はい、これ使って?」
タオルとスエットを渡された。
「え?いいよ
明日帰って着替えるから」
「その服で寝たら疲れちゃうでしょ?
いいから使ってよ」
「…ありがとう
ではお借りします」
「お風呂場分かる?」
「うん。大丈夫」
…ちゃぷんっ
「ふ~」
一人になって落ち着いたら、不思議な感覚に襲われた。
長い間一緒にグループ活動してきたけど、智くんの家に飲みにきて、泊まるなんてなかったなぁ。
部屋に入った時こそ緊張したけど、その後はとても居心地のいい空間で。
智くんが持つ空気感なんたろうな。
また来てって言ってくれたけど本当かな?
いつ誘ってくれるんだろ?
なんて楽しみにしてる自分がいてなんだか可笑しくなった。
遠足楽しみにしてる子供かよ、って自分で突っ込んだ。
ふふっ、と思わず笑いが溢れる。
お風呂から上がると智くんがペットボトルの水を渡してくれた。
「はい、水。布団そこに敷いたから。」
「ありがとー」
水を受け取りお礼を言う。
「先寝ててね?朝早かったから疲れてるでしょ?」
「大丈夫だって
でもなんで朝早かったの知ってるの?」
「ん…誰か言ってた…かな」
「…そうなんだ」
「じゃあ、お風呂いってくる」
智くんに大丈夫なんて言ったけどお酒が入ってたのと布団の心地よさで先に寝てしまった。