第10章 always
〈潤サイド〉
スタッフとの打ち合わせが終わり、翔くんが自主練をしてるって言うからレッスン室に向かった。
練習の邪魔をしないようにそっと扉を開けると、翔くんとリーダーが抱き合ってた。
背中に回された腕…そして翔くんがリーダーにもたれ掛かるように抱かれてる姿を見て、ふたりが想い合ってることはすぐに分かった。
いつから?ふたりの関係はいつから始まってた?
そんな素振り見せたことなかったのに…
俺の知らないところで翔くんが誰かの物になっていたなんて…しかもこんな身近なところで。
なんでメンバーなんだよ…嫌でも目の当たりにしなきゃならないじゃないか。
あのふたりが特別な関係なのは分かってる…
嵐の中核を担うふたり。何も言わずに分かり合ってて…でもそれは、仕事に対してだけだと思ってた。
ニノと相葉くんのように、プライベートで仲良くしてる訳じゃない。
だからふたりの関係に憧れてはいたけど、安心もしていたんだ。
まさか、ふたりが両想いだったなんて…
翔くんがリーダーを尊敬してるのは知っていた。
翔くんや俺の様に努力家タイプの人間は、リーダーやニノの様に天才肌タイブの人間に憧れる。
だから、翔くんがリーダーを立てているのは昔から当たり前の様に見ていた…
少しの努力だけで翔くんの横に並んで立てるリーダー。いや、翔くんにしたら逆なのかもしれない…リーダーを隣で支える為に努力しているのかも…
そんな翔くんがリーダーのことを好きで、リーダーも翔くんのことが好きなら
俺が入る余地なんてどこにもないじゃないか。