第10章 always
それからも翔くんのことを諦めることなんて出来なくてずっと翔くんを見てきた。
たまに切なさを宿した瞳の翔くんと目が合う…
今でも俺の事好きでいてくれてるんだよね?
だったら俺は待つよ…翔くんが何に対して『今は駄目』なのか分からないけど、翔くんが俺の事を好きでいてくれてひとりで耐えてるなら俺はいくらでも待つから。
そんな思いで翔くんを見ていたら俺の存在に気がついた翔くんが挨拶してきた。
「あ、おはよ智くん」
「おはよ~翔くん。松潤悪いな早くからお前ばっか仕事させて」
「おはようリーダー。そんなことないよ、いいライブ作る為ならこれくらいなんてことない。それにひとりじゃないよ翔くんにもアドバイス貰ったし」
「そっか、俺に手伝えることあったら言ってよ?微力だけどなんでもやるから」
「ありがと、リーダーの力は全然微力じゃないから…頼りにしてます」
そう言って笑う松潤を見てると不安になる。
こいつどんどん逞しくなる…
松潤が翔くんに気持ちを伝えたら翔くんはどうするんだろう。
見た目もいい男だし仕事も出来る。
すぐキレて子供だと思ってたのにいつの間にか落ち着いた大人の男になってた。
俺に勝ち目は無いんじゃないか?
それでもあの翔くんの瞳を信じたい…
翔くん、君の真意はどこにあるの?
あの時翔くんが言ったように、待たなかった方が良かったのかな、なんて思う時もある…
でも無理だったんだ。翔くん以外の人を好きになるなんて…