第10章 always
〈智サイド〉
ライブの打ち合わせの為に仕事場に向かった。
会議室に入ると既に松潤と翔くんの姿があった。
ふたりは肩を寄せあってパソコンの画面を見て何やら話し込んでいた。
「ん、さすが松潤。それでいいんじゃないかな?」
「ほんと?翔くんにそう言って貰えるて安心したよ」
「俺は自分でここまで考えられないからな、松潤が考えたものに良いか悪いかの判断するのだって申し訳無いくらいだよ」
「そんな事ないよ、悪いと思った時はハッキリ言って?じゃないといいライブが作れないから」
「分かったよ、相変わらずストイックだな」
翔くんはそう言うと松潤の頭をくしゃくゃっと撫でた。
そうされてる時の松潤の嬉しそうな顔…お前も翔くんのこと好きなんだよな…
松潤の翔くんに対する視線が尊敬の物から愛情に変わった事に気がついてから暫くして俺は翔くんに告白した。
松潤の存在が怖かったから…
翔くんにとって弟的な存在であった松潤が翔くんと距離を取るようになった時、松潤は本気なんだと分かった。
だから松潤が動く前に翔くんに気持ちを伝えたんだ。
そしたら翔くんは泣きそうな顔をして『今は駄目だよ』って言ったんだ。
そんな翔くんを見て翔くんも俺の事好きでいてくれてるんだって分かった。
その頃丁度嵐の仕事が増えはじめて忙しくなってきた。だから『今は駄目』なんだと思った。
それならもっと頑張って嵐が誰からも認められる存在になってからもう一度翔くんに気持ちを伝えようと思った。
デビュー10周年を迎えた時、再び俺は翔くんに告白した。
今度こそ俺の気持ちを受け入れて貰えると思ったのに…翔くんは『散々待たせたのにごめんね、もう俺の事は待たなくていいよ』って泣いたんだ。
なんで?なんでそんな悲しそうな顔してるの?俺の事好きなんでしょ?なのに何が邪魔をしているの?
思わず翔くんを抱きしめてキスをした…抵抗なく受け止めてくれたのに…それなのに俺から離れた翔くんは『ごめんね』って謝って立ち去ったんだ。