第9章 言葉より大切なもの
〈智サイド〉
楽屋につくと松潤に膝枕されて腰を擦られてるニノがいた。
「おはよ」
「おはようございます、大野さん、翔さん」
体を起こしながら挨拶をするニノ。
「ふたり一緒に来たの?」
ニノを支えるように腰に手を回す松潤。
「ん、そう…」
「上手くいったみたいだね」
ニノが笑顔で聞いてきた。
ふたりにはちゃんとお礼しなくちゃな…
「ふたりともありがとな」
「いやいや、俺たちの方が世話になったんだから、大したことしてないよ。な?和」
顔を見合せ、嬉しそうな表情をするふたり。
「そうだよ、大野さんと翔さんがしてくれたことにくらべれば、微々たるもんだよ、ね?潤くん」
頷く松潤…ふたりも幸せそうだな…よかった。
「そういえばニノ、お前また腰痛めたの?」
そう聞いたらニノが顔を紅くした。
「智くん」
翔くんが咎めるように俺を呼ぶ。
「え?なに?」
「そんな事聞いて…デリカシーないよ」
「何でだよ…」
「…分かってないの?」
翔くんが驚いたように聞いてきた。
「だから何が?」
「あ、えっと…」
翔くんも頬をピンクに染めた。
「翔くんは平気そうだね?だからリーダー分からないんじゃないの?」
松潤が可笑しそうに聞いてきた。
その言葉に更に顔を紅くする翔くん。
「え?そういうこと?翔くんも腰痛いの?大丈夫?
じゃあやっぱり朝のは駄目だったよね?」
「なに?朝からしてきたの?リーダー頑張るねぇ」
松潤が思いっきり笑った。
「…智くんのバカ…」
そんな可愛い『バカ』今までの人生で聞いたことないよ。
あぁ…俺の理性、帰りまで持ってくれるかなぁ…
fin