第2章 Kiss からはじめよう
「なんで大丈夫なの?」
「えっ、智くんモテるじゃん」
「え~?全然モテないよー!」
「そうなの?
だって歌上手いし、躍り上手いし、絵上手いし、料理だってできるし、部屋綺麗だし、優しいし完璧じゃん?」
「翔くん誉めすぎ
もう何も出ないよ?」
「お世辞じゃないよ
俺が女だったら絶対OKだもん」
智くんの顔が少し赤くなった。
照れてんのかな?
「もういいから…
ほら、もうちょっと飲もう」
「ねぇ、告白してみればいいじゃん!」
智くんに幸せになって貰いたいな~。
「…そのうちね」
智くんがニコッと笑った。
今度は胸がズキッとした。
なんでだろ?幸せになって欲しいはずなのに…
「じゃあさ、その人と付き合うまでは寂しくないようにまた一緒に飲もうよ」
「えっ?いいの?」
「勿論‼
智くんと飲むの楽しいよ?」
「ありがと!じゃあ、また家で飲もうよ」
「智くんがいいならいつでも!
智くんの料理、家庭的で安心する
外みたいに気も使わないから楽でいいし!」
「そっかぁ、嬉しいなぁ」
ほんとに嬉しそうな智くん。
俺も嬉しくなった。
そんなこんなで結構な時間飲み続けていたら12時過ぎてしまった。
外ならいいけど、後片付け考えるとそろそろ帰らないと智くんが大変になる。
「俺そろそろ帰るね?」
「もう遅いから泊まっていけば?」
「いいよ。これ以上お世話になれないよ」
「気にしないでよ
誘ったの俺だし
外寒いから体冷えちゃうよ?
家に帰っても部屋寒いでしょ?」
「う~ん…そんなに言ってくれるならお言葉に甘えちゃおうかな?」
「どうぞどうぞ!」