第9章 言葉より大切なもの
〈翔サイド〉
智くんに『好き』だと伝えた。
智くんから『どういう好きなの?』って聞かれて恥ずかしくなった…
今までメンバーとしてしか見てこなかった智くんを、たった一日で恋愛対象として見ている…
そんな急激な心境の変化を、智くんは信じてくれるのかな?軽い奴だと思う?
『智くんと同じ好き』って言ったら、智くんからの答えがない…
やっぱり図々しいよね…『もう、遅いかな』って聞いたら、智くんは慌てて否定してくれた。
『そんなことあるわけない』って、嬉しくて、ほっとして『良かった』って呟いた。
理由を聞いてきた智くんに、ニノと松潤の事を話した。
智くんは納得したように頷いた。
「そっか、あのふたりに感謝だな」
「うん、俺もひとりじゃどうしていいか分からなかった…
なんで智くんに対して急に恥ずかしくなったんだろうとか、これから智くんにどう接したらいいんだろうとか…」
「マジで良かったよ
今日の帰り翔くんに避けられたと思ったから、流石に俺ももう駄目かなって
正直、さっき翔くんから電話で話があるって言われた時もさ『あぁ、俺、絶対またフラれるんだ』と思ってた」
智くんが苦笑いをした。
俺、また智くんに辛い思いさせちゃったんだ…
「ごめんね…」
「え、なんで謝るの?翔くんに好きって言って貰えたんだから何も謝ることないよ」
「だって、智くんに余計なこと考えさせちゃった…
俺がすぐに自分の気持ち分かれば良かったんだけど…こんな気持ち初めてで…」