第9章 言葉より大切なもの
「俺、どうしちゃったんだろ…
智くんのこと嫌じゃないのに見られない」
そう言ったら松潤とニノが微笑み合って頷いた。
それからふたりは俺のことを見て
「翔くん、初めから解決していこうか
今朝リーダーに会ったとき、顔を見て話してくれないことが悲しかったんだよね?」
俺は頷いた。
「それってさ、俺が昨日までニノに感じてた事だと思うんだ
なんで俺の事、見てくれないんだろうって」
「うん…智くん、いつも優しく笑って話聞いてくれるのに、見てくれない事が悲しかった」
「で、リーダーにそれを言ったら、いつもの通りにしてくれたんだよね?」
「そう…俺の我が儘聞いてくれた」
「写真撮ってるときドキドキして、大野さんの事見れなくなっちゃったんでしょ?」
「智くんに触れてることが、急に恥ずかしくなっちゃったんだよ
そしたら目も合わせられなくて…そらしちゃった…」
「それは俺が潤くんに対してしてきた事と一緒だよね?」
ニノに言われてハッとした。
そうだ、ニノも松潤の事が恥ずかしくて見られないって、ずっと悩んでた。
「ねぇ、翔さん。翔さんが今日感じた感情ってさ
俺が潤くんに、潤くんが俺に感じてた物と同じじゃないかな?
だったらさ、答えはひとつしかないと思うんだけど…」
ニノと松潤が優しく微笑んでくれた。