第9章 言葉より大切なもの
「松潤、来てたんだ」
ニノに付いて部屋に入って行く。
「うん、今着いたとこ。
仕事終わりにリーダーに電話したらリーダーが翔くんに避けられてるって言うからさ、ちょっとニノに聞きにね」
「避けてるって思われちゃったんだ…」
「翔さん、立ち話もなんだからそこ座って
飲み物ビールで大丈夫?」
「うん、ありがと」
ニノに勧められたソファーに座る。
ニノが缶ビールを3本と食器を持って戻ってきた。
「はい、どうぞ」
俺と松潤に1本ずつビールを渡してくれた。
「潤くんが差し入れしてくれたから食べながら飲もう」
テーブルの上に料理を広げた。
プルタブを開け『お疲れ』と声を掛けビールを飲む。
「はあ~」
思いっきり息を吐いた。
「ふふっ、翔さん相当疲れたみたいね」
ニノが可笑しそうに笑った。
でも、その顔が嬉しそうに見えるのはなぜだろう…
「翔くん、リーダーは翔くんに避けられてるって言ってたけど、何があったか話してくれる?」
松潤が真剣な顔をして聞いてきた。
心配してくれてるんだ…
駄目だな…弟たちに心配掛けてるようじゃ。
でも他に話を聞いて貰える相手もいないし。
事情を知ってるこのふたりに聞いて貰うのがベストなんだろうな…
「実は…」
今日あった事とその時思った事を全て話した。
松潤は成る程ねぇ、って俺の話が進んで行くほど顔がにやけて来てて…