第2章 Kiss からはじめよう
一人で待っててもすることがなくビールをちびちび飲みなからテレビを観てた。
智くんの部屋のテレビはかなりの大きさ。
この画面で映画とか観たいなぁ。
「ねぇ、智くん。映画のDVDとかないの?」
キッチンにいる智くんに聞いてみた。
「メンバーが出てるのならあるけど他はないなぁ」
メンバーのかぁ
大画面で観るのは恥ずかしいか…
「なにか観たかった?」
「折角大きいテレビだから映画観るのにいいかなぁと思って」
「あ~、だったらライブDVDとかでも迫力あって面白いよ?」
「智くんライブ観るの?」
「観るよ
嵐のも観るし、最近は振り付けの参考にするのに他のアーティストさんのも観る
借りてだけどね」
「そうなんだ~」
ちゃんと勉強してるんだな。
「そこの棚に入ってるから何か観たいのあったら観てて」
テレビ横のラックを見るデビュー当時から今までのDVDが並んでた。
懐かしいなぁ。その内の一本を取りデッキに入れて再生した。
「国立?」
料理を持った智くんが声を掛けてきた。
「そう。懐かしくなっちゃった」
「写真撮りまくったよな~翔くん」
「そうそう!」
なんて思い出話ししながらDVDを観てた。
お酒もそこそこ入り話はまだまだあの頃の話に。
「最初の国立の時ってさぁ1回きりだと思ってたじゃん?
よくここまで続いたよね~
あの頃は無我夢中で仕事してたなぁ」
「今は違うの?」
「今も一所懸命やってるよ
でも気持ちに余裕があるって言うか
慣れかな?忙しさは変わらないんだろうけど
周りが見えるようにはなったかな」