第2章 Kiss からはじめよう
「そうなんだ
翔くんの家に来たりは?」
「それもないかな
うちに来るのなんて学生時代の友達くらいだよ」
「後輩は来るんでしょ?」
「あ~、あれはたまたまだよ
普段は外で食事するくらいだよ」
「そっか…よかった」
ちょっと嬉しそうに笑う智くん。
よかったってなんだろ?
リビングに通されるとシンプルで片付けられた部屋だった。
智くんがエアコンとテレビのスイッチを入れながら
「適当に座って?
お酒用意してくるからちょっと待っててね」
と言ってキッチンへ入って行った。
ソファーに座って部屋の中を見回していると智くんがビールとつまみを持って戻ってきた。
「なに見てんの?」
「いや、綺麗にしてるな~と思って」
「ここはね
他はそうでもないよ」
そうは言うけど他も綺麗にしてそうだな。
「はい!乾杯しよ?」
グラスを渡されビールを注いでくれた。
「ありがと!
はい、智くんも!」
「ありがと~♪
じゃあ、乾杯!」
ゴクゴクッ
「「は〰っ!旨いっ‼」」
思いっきりハモッてしまい2人で顔を見合わせて笑ってしまった。
「何か適当に作るからとりあえずそれ食べてて」
「ん、ありがと」