第2章 Kiss からはじめよう
「智くんこの後何かあるの?」
「…ないよ」
「だって、今相葉くん…」
「ん?なにか勘違いしたんじゃない?」
「そっか…」
智くん本人が言うんだから間違いないか…
「翔くんもう帰れるの?」
「うん、大丈夫だよ」
「じゃあ、行こうか」
駐車場に向かう途中でマネージャーに会い、智くんと一緒に帰ることを伝えた。
「珍しいですね?お二人ご一緒なんて」
「まぁ、たまにはね?」
「メンバー同士、仲を深めることはいいことです」
マネージャーの運転する車で智くんのマンションに着いた。
「それではお疲れさまでした」
「お疲れ~」
「お疲れさま」
マネージャーの車を2人で見送った。
「…さぁ、行こっか?」
「うん」
智くんの部屋の前に着くと、智くんがドアを開いて押さえてくれる。
「入って?」
「…お邪魔します」
智くんの家か~、なんかドキドキする。
あんまりプライベートでメンバーとは会わないからな。
ちょっと恥ずかしいかも…
「…どうしたの?」
動きの止まった俺を見て智くんが不思議そうに聞いてきた。
「ん?なんか緊張するかも…」
「なんで?」
可笑しそうに智くんが笑った。
「メンバーの家って行ったことないから」
「誰のところも行ってないの?」
「ないよ。最近はプライベートでメンバーに会うこともないし」