第9章 言葉より大切なもの
俺以上に驚いたのは智くんで、完全に固まっていた。
俺はニノが松潤を好きなことを知っていたけど、智くんは知らなかったんだもんな…
いつも揉めてたふたりが付き合うことになろうとは。
「なんで急にそこまで話が進んだの?」
「いや、ニノに目を見て話してくれないから悲しいって言ったら、ニノが恥ずかしくて目を見れないって…そう言ってるニノの表情が可愛いなぁって思って、あぁ、俺ニノの事好きだから目を見てくれないことが悲しかったんだって分かったんだよねぇ」
松潤が話してる間もニノは頬を赤らめて嬉しそうに松潤を見る。
「よかったねぇ、ニノ」
「ありがと、翔さん」
ニノが嬉しそうに微笑んだ。
「で、翔くんはどうなの?」
松潤に話を振られたけど、答えなんて出ないよ…
智くんの事そんな目で見たことないし、かと言ってハッキリごめんなさいと言うのもなんか気が引けるし…
どうすればいいんだ…
そんな俺を見かねた智くんが、
「翔くん、気にしないでいいよ
俺、翔くんに振られても大丈夫だから…」
智くんのことはジュニアの頃から尊敬していたんだ…好きと言って貰って悪い気はしないんだけど。
だからと言って付き合うとかは考えられないし…