第9章 言葉より大切なもの
やっぱり飲みに来て正解だった。
ニノと松潤がふたりで話出した。
ふたりとも仕事場では見せないような顔で話をしてる。
特にニノは嬉しそうというか…なんだろう、瞳も潤んでる感じだし頬もちょっと赤い気がするけど…お酒のせいか?
「ねぇ翔くん、ニノ酔ってる?」
翔くんに小声で話しかけた。
「ん?なんで?」
翔くんが小首を傾げた。
…可愛いな…いやいや、今はそんなこと思ってる場合じゃない
「だってあんなニノの表情見たことないし…」
翔くんがニノを見ると
「あぁ、ほんとのニノはあんなだよ」
「ほんとのニノ?」
「そう、まぁあそこまでじゃないけど俺の前でも可愛い顔するよ」
「どういうこと?」
「ふふっ、智くんは鈍いからなぁ
気がつかなかったんでしょ」
翔くんに鈍い扱いされた…翔くんの方がよっぽど鈍いのに。
「俺のどこが鈍いんだよ、翔くんだって鈍いだろ」
「俺のどこが鈍いだよ」
翔くんが不貞腐れた感じで言い返してきた。
いつもだったら翔くんも俺も軽く流せるんだろうけど、今日は酒が入ってるせいか俺も引けなくなってた。
「全然分かってないし…」
「俺の何が分かってないんだよ」
「俺が翔くんのこと好きだってこと!」
「「あ!」」
大きくなってしまった声に、ニノと松潤が反応した。
「…へ?」
翔くんを見ると大きな目を更に大きくして驚いていた。