第9章 言葉より大切なもの
「他の人にもそういう風に思うことある?」
松潤は首を傾げて「ん~」と考え込んだ。
「…失礼だとは思うけど悲しくなることはないかな…」
「てことはニノだけ特別なんだな…
松潤、一度さぁニノと話してみれば?」
「話してるから揉めるんだろ?」
「じゃなくて、仕事から離れてプライベートで話してみろよ」
「仕事を離れて?」
「うん、ふたりで飲みに行くとか…今まである?」
「…ないかも」
「じゃあ一度話してみろよ、何か分かるかもしれないし」
「う~ん…でもニノが嫌がるんじゃないかなぁ」
「だったら俺も付き合うよ
俺がちょっと強引にでも誘うから」
「…分かったよ」
「よし、決まりね
じゃあ、打ち合わせちゃっちゃと終わそ」
椅子から立ち上がり会議室へ戻った。
部屋へ入ると翔くんが笑顔で迎えてくれた。
「おかえり」
「ただいま」
俺も笑顔で応える。
それからニノに向き直り
「ニノ、今日帰り飲み行こ」
「大野さんと?」
「うん、松潤も一緒に」
ニノが翔くんと顔を見合わせた。
「智くん、俺たちも同じこと話してた」
「え、そうなの?」
「うん、だったら話は早いね
店予約しとくから」
翔くんがスマホを出して電話をかけた…
さすが翔くん、仕事が早い。