第9章 言葉より大切なもの
「翔さん、俺どうしたらいいんだろ…
このままだとほんとに潤くんに嫌われちゃうよ…」
そんなうるうるの瞳で言われたらなんとかしてやりたいのは山々なんだけど…
ニノが素直になれれば一番手っ取り早いんだけどなぁ。
俺の前ではすっごく可愛いんだよ?
これが松潤の前で出せれば揉める事はなくなるし、ニノの気持ちも松潤に伝わると思う。
でも、あまのじゃくのニノには難しいんだよなぁ。
なにかキッカケがあればニノも松潤の前で素直になれるのかな。
仕事を離れてふたりで出掛けてみるとか?
いや、いきなりふたりは何かあったときに最悪な状況に陥る可能性もあるな…
「ニノ、今日飲みに行かない?」
「え、翔さんと?」
「いや、松潤も誘って」
「潤くんも?でも俺が一緒じゃ潤くん嫌がるんじゃないかな…」
ニノが暗い顔をして俯く。
「大丈夫だよ。
松潤だって、ニノと喧嘩したい訳じゃないんだから。
仲直りじゃないけどさ、こっちから誘えば松潤も来てくれると思うよ?」
ニノは少し考え込んだけど顔をあげて決心したように
「うん、分かった。行くよ」
ライブツアー中は5人で飲んだりはするけど、プライベートとなると気持ちも弛むはず…
酒の力を借りてじゃないけど、ニノが素直になれればニノの事、松潤にも分かって貰えるんじゃないかな。