第8章 とまどいながら
《おまけの楽屋のナイショ噺》
あの後ふたり順番にシャワーを浴びてたら集合時間ギリギリになってしまった。
廊下を歩きながら智くんが
「だから一緒にシャワーすれば良かったんだよ」
って言われてもねぇ、なんか恥ずかしいし…
元はといえば智くんが朝から始めたのが原因じゃないの?
会議室まで急いで歩きたいんだけど体が痛くてゆっくりになってしまう。
それでも荷物は智くんが持ってくれてるからまだ良かった。
ドアを開け部屋に入ると他のメンバーは揃ってて
「悪ぃおそくなった」
「おはよ、ごめん待たせた?」
「おはよ、ギリセーフだよ」
「おはよ~、ふたり一緒だったんだ~」
「おはようございます、あれ?大野さんが持ってるの翔さんの鞄ですよね」
「あ、うん、そうだよ」
智くんから荷物を受け取った。
「ふ~ん…」
ニノが隣に座ってる松潤の耳元で何か囁いてる。
「ほぉ~、マジで?」
「おそらく、私の予想では…」
松潤とニノがこちらを見ながらニヤニヤしてる。
「あ~、おふたりさん今日急遽衣装の採寸だけすることになったから」
「へ~、そうなんだぁ」
「えっ⁉」
驚く智くん、急だなぁとは思ったけどそんな驚くことかな?
ニノと松潤がまたふたりで話してる。
「ほらねっ」
「確認しますか」
松潤が立ち上がり相葉くんに何やら耳打ちした。
相葉くんは指でオッケーサインを出す。
ニノも立ち上がりこちらに歩いてきて俺の目の前に立った。
「翔さん、体キツいでしょ、大野さんに荷物持って貰うくらいですもんね」
って、ニッコリと笑顔を見せた。
「え、あ…」
言葉が出ない俺にニノは
「ほんと翔さん正直者なんだから」
そう言うといきなり俺のシャツを捲りあげた。