第8章 とまどいながら
「…ん、」
翌朝目覚めると智くんの腕の中にいた。
「おはよ、翔くん。大丈夫?」
「ん、あれ、俺昨日どうしたんだっけ…」
「覚えてないの?」
「ん~、体も心もフワフワして…
その後何も考えられなくなって…でも幸せだったのは覚えてる…」
「そっか…なら良かった
翔くん泣いてたからキツいのかなぁって思って止めようとしたらさ、止めないでって言うからそのまま続けちゃったんだよね
終わってからも翔くん眠いって言ってそのまま寝ちゃったからどうだったのかなって…」
智くんの話を聞いて思い出してきた…
凄く気持ちよくて、智くんと結ばれたことが凄く幸せで涙が溢れて来たんだ…
そしたら智くんが涙拭ってくれて、『大丈夫?』って離れていこうとするから引き止めた。
…鮮明に蘇ってきて顔が熱くなる…
恥ずかしくなって智くんに背を向けた。
「翔くん?」
智くんが顔を覗き込んできた。
「大丈夫?体キツいの?」
首を横に振った。
恥ずかしくて智くんの顔を見るのがキツい…どうしよう。
「翔くん大丈夫ならシャワー浴びないと仕事遅れちゃうよ?」
ヤバい、打合せ遅れたら松潤に申し訳ない…
昨日家に帰ってまで仕事してたのに。
慌てて飛び起きた…けど体が痛い…
「…痛って~」
「ごめん、やっぱり無理させちゃったよね…」
智くんが心配そうに見るから
「ううん、無理してないよ
大丈夫だから…今のは急に動いたからだし
俺がして欲しかったんだから智くんのせいじゃないよ」
智くんを悲しませたくないから思いっきり否定した。
それなのに智くんは顔をニヤニヤさせて
「そっかぁ、翔くんがして欲しかったんだぁ
幸せだったって言ったもんね
じゃあもう一度一緒に幸せになろうねぇ」
って近づいてきた。
「やめっ!」
って言うよりも早く組伏せられた…
そして幸せな1日が始まる…
fin