第8章 とまどいながら
ベッドにそっと下ろされると智くんがベッドの縁に座り俺の額にキスを落とす…
顔をあげて真剣な顔で俺のことを見る。
「無理はしないでね、キツかったらちゃんと言って?」
「そんなに心配しなくて大丈夫だよ」
智くんに向かって微笑むけど智くんは眉毛を下げて
「駄目だよ、俺もう翔くんのこと傷つけたくないんだ…」
やっぱりまだ気にしてるんだ…
俺は智くんの首に腕を掛け引き寄せてキスをした。
唇を離すと智くんを見つめて
「だったら俺のこと幸せにして…
キツいなんて思わないくらい…智くんとひとつになれる悦びを俺に頂戴…」
そう言ったら智くんはふにゃって笑って
「そんな可愛いおねだりされたら応えないわけいかないよね」
智くんは俺の頬を撫で優しいキスをくれる…
甘い甘いキス…それだけで幸せで胸がいっぱいになる…
頬を撫でる手が首筋を通り下に降りていったと思ったらシャツの隙間から侵入し直接脇腹を撫で上げられた…
何度も撫でられるととくすぐったいんだけどゾクゾクしてきて声が漏れる…
「あっ、ん…」
「可愛い声…もっと聞かせて…」
耳元で囁かれる声にドキッとする…
智くんの体が下に移動するとシャツを捲りあげられて脇腹をツーっと舌先で舐められた…
「ひゃっあ、んっ…」
思わず背中が仰け反ってしまった…
智くんが体を上にずらし笑顔で顔を覗き込んできた。
「翔くんって感じやすいんだ」
「そ、んなの、しらな…い…」
「ふ~ん…」
智くんはキスをしながら俺の体を触れるか触れないかの優しいタッチで手を行き来させる…
触れる場所によって俺の体がビクッと反応し、智くんはその反応を楽しんでるようだ。
されてる俺はゾクゾクが止まらなくて…
「…あ、んっ、やめ、んっ!…さとしく、ん、もう…やぁ…」
「大丈夫、そのまま感じてて…
もっと気持ちよくなるから…」
優しい笑顔と声に安心する…
「…う、ん…」
「翔くんのこと幸せにするからね…」
その言葉を信じて全てを智くんに委ねた…