第8章 とまどいながら
「翔くん俺の言った意味分かって言ってんの?
分かって言ってるなら相当ドSだよ?」
「分かって言ってるけど、ドSじゃないよ…」
そう言って智くんの瞳を見つめた…
そしたら智くんがふっと笑ってそっと抱きしめてくれた。
「翔くんてば、誘い上手」
「なんだよそれ…」
「だってそんな真っ赤な顔して誘われたら我慢しようと思ってた事もなかったことにしちゃうでしょ」
「…我慢しないでよ…折角両想いになれたんだから…」
「も~、翔くん、俺のこと殺す気?キュン死にするかと思ったわ」
「キュン死にって大袈裟…」
「じゃないよ?ほんとにそんな可愛い事ばかり言われたら心臓止まるから」
「じゃあ、もう言わない。智くんに死なれたくないし…」
そう言ったらいきなり智くんに唇を塞がれた。
「っん!」
すぐに離れていく智くん。
「もう、翔くん小悪魔。わざとやってるの?」
「なにが?」
「やっぱ天然かぁ、たちが悪いなぁ」
なんて言うけど顔は笑ってて
「翔くんが誘ったんだから翔くんの責任だからね」
智くんが再び近づいてきた…
今度のキスは何度も何度も執拗に繰り返される…
なんだろ今日のキスは優しくて甘い…
もう何も考えられないくらい気持ちよくて、智くんの首に腕を回した。
智くんが離れていく頃には体の力が抜けきって智くんに支えられてた。
「はぁ…」
「…本当にいいの?」
「…ん、いい…ニノが言ってた、大変だけど幸せな気持ちの方が勝るって……だから俺も智くんと幸せになりたい…」
智くんが俺を抱えて立ち上がった。
「ほんとに誘い上手なんだから…」
微笑みながらそう言うと寝室に向かって歩いてく。