第8章 とまどいながら
<ニノサイド>
翔さんとふたりでメイクルームに向かってると
「ねぇ、ニノ」
「なんです?」
「えっと…」
翔さんが顔を紅くして何か聞きたそうにしてる。
察しは付きますけど…ほんと可愛い人ですね。
「翔さん、早くしないとメイクルームに着いちゃいますよ」
「…あのさ、最初の時ってやっぱり大変?
相葉くんがそんなこと言ってたから…」
あ~ぁ、顔真っ赤にしちゃって…
それにしても相葉さん、余計なことを…
翔さんビビっちゃったでしょ。
「大変か大変じゃないかで言えば大変
でもちゃんと準備して時間を掛ければそれほどではないと思いますよ
私たちの場合は準備してなかったし、相手がなんてったって力加減の出来ない相葉さんだったから翌日まで引きずってしまいましたけど」
「そっか、準備は必要なんだね」
「そうですね、でも翔さんたちは大丈夫だと思いますよ」
「なんで?」
「相手が大野さんだから
あの人この前電話で話した時、翔さん傷つけたこと猛反省してましたからね
どんなことであれ翔さんを傷つけることは2度としないでしょ」
「智くんまだ拘ってんだ
もういいって言ってるのに」
「そう言っても無理でしょ
あの人ほんとに翔さんのこと大切に想ってるから
自分のこと許せないと思いますよ」
「そんな…どうすればいいんだろ」
「時間が立てば薄れていくんじゃないですか?
あの人が自分で納得するくらい翔さんのこと幸せに出来たらその時は自分を許せると思いますけど」
「俺もう充分幸せなのに…」
「ふふっ、まだまだですよ
さっきの話に戻りますけど最初は確かに大変でしたよ、でもね幸せな気持ちが勝っちゃうんです
相葉さんが無理させたって言ってたみたいですけど無理なんかしてないんです
私がそう望んだんですから…
あぁ、相葉さんには内緒ですよ、すぐ調子に乗るんで」
「やっぱりニノも相葉くん大好きなんじゃん」
翔さんが嬉しそうに笑った。