第8章 とまどいながら
「あぁそうだ翔さん、今更ですけど大野さんに仕方なく許可出したんで末永くお幸せにね」
「仕方なくってなんだよ」
不満そうな声を出す智くん。
「本来なら出したくないんですけどね、でも翔さんの為に仕方なくですよ」
「うん、ありがとう
ニノも相葉くんと上手くいったんでしょ
次の日仕事で一緒だったけど凄い幸せそうだったよ」
「私があの人振っちゃったらまた誰かに迷惑掛けるでしょ
仕方ないので私が引き受けたんですよ」
ニノが鞄からゲームを取り出して椅子に座った。
「またそんなこと言って…
ほんとはニノだって相葉くんのこと大好きなくせに」
「そんなことないですよ」
「だって無理したんでしょ?」
ニノがピクッと反応して顔をこちらに向けた。
「…なんの話です?」
ヤバイ、内緒にしなきゃいけなかったんだ。
「え、あ、なんでもない…」
「翔さん、相葉さんに何を聞いたんですか?」
「何も聞いてないよ…
ただふたりが付き合いだしたって聞いただけ…」
ニノがじっと俺を見てるから視線を逸らした。
「翔さんってほんとに正直者ですね
どうせ調子に乗って相葉さんが口滑らせたんでしょ
しょうがない人…
まあ、自分で選んだんで私の自己責任ですね」
ニノが怒ってないようで安心した…
これで怒らせちゃったら相葉くんに申し訳ない。
「おはよー」
噂のご本人登場、相変わらす元気だな。
「おはよ、相葉くん」
「はよ、相葉ちゃん」
一通り挨拶をすると相葉くんはすかさずニノの元へ行き
「おはよ、ニノ」
って言って頬にキスをした。
「っ!?相葉さん、なにやってるんですか」
「え?朝の挨拶
何かまずかった?」
飄々として答える相葉くん。
ニノは顔を紅くしている…
あぁ、ニノも相葉くんに振り回されそうだな。