第8章 とまどいながら
智くんに寄りかかったまま呼吸を整えてると優しく髪を撫でてくれた。
それが凄く気持ち良くて目を閉じているとそのまま寝てしまいたくなる。
「翔くん、寝ちゃった?」
「ん~ん、起きてる、すっごく眠いけど」
「ははっ、そっか
眠らせてあげたいけどここ楽屋だし、そろそろ帰ろっか」
「うん」
ふたりで立ち上がって帰りの準備をしてると
「あ~、一応ニノに報告しとくか
後でゴチャゴチャ言われてもやだし」
「ん、そうだね、心配してるかもしれないしね」
智くんがスマホを取り出して電話をかけた。
「ん?出ないな…風呂でも入ってんのか?」
「でも、相葉くん一緒のはずだよ?」
「そうなの?」
「たぶん、相葉くんニノの後追ってったから」
「ふーん、まぁいいか、着信気がつけば連絡してくんだろ」
「そうだね、じゃあ、行こうか」
歩き出すと智くんに腕を掴まれた。
「智くん?」
振り向いたら智くんがチュッと音を立ててキスをする。
「おやすみのキスね
ここ出たらもうできないから」
智くんがそんなことするなんて思ってなかったから顔が熱くなった。
「また顔紅い」
「智くんがそんなことするからでしょ」
「ん~、だってしたくなったんだもん
翔くんだってさっき『したかったから』って言ったんだから一緒でしょ」
なんて笑顔で言われても…
なんかこの先智くんに振り回されそうな気がする…