第8章 とまどいながら
自分からしたキスとは全く違う…
いきなり舌を差し込まれ激しく舌を絡めてきたかと思えばそっと触れるだけのキスを何度も繰り返す。
「…んっ、はぁ…」
一度知ってしまった甘い刺激を求めて智くんの首に腕を回す…すると智くんは答えてくれて再び激しいキスをくれるんだけど、またすぐに触れるだけの優しいキスに変わる…
智くん、わざとやってる…俺のこと焦らしてるんでしょ?
智くんの唇が離れていく…
そっと目を開けると智くんが微笑んでいるから
「…意地悪…」
って呟いたら智くんがぎゅうって抱きしめて
「だって翔くん超可愛いんだもん」
なんて言う。
なに、その余裕…こっちはけっこうヤバかったんだけど…
なんか悔しい…
「もう帰るよ」
そう言って智くんの胸を押し返そうとしたんだけどビクともしなくて…
なんでこの人こんな力あるの?
「まだだよ?
まだ翔くんの期待に答えてないでしょ?」
「もういいってば…」
「やだ、ってか俺がまだ足りない」
「俺もやだ、また意地悪するんでしょ?」
「ごめんね、あんまりにも翔くんが可愛いくてつい
もう意地悪しないからもう一回していい?」
そう聞く智くんの方が可愛いと思うんだけど…
「…あと一回だけだよ」
うん、うん、と嬉しそうに首を縦に振る智くん。
絶対智くんの方が可愛いでしょ。